
野球・ソフトボール愛好家にとって、グローブは単なる道具ではなく、パフォーマンスを左右する重要なパートナーです。しかし、従来のオーダーグローブ制作では、完成品を実際に手にするまで仕上がりをイメージすることが困難でした。
そこで今回、野球・ソフトボール専門店様より、お客様がオーダー前に理想のグローブを視覚的に確認できるグローブシミュレーションシステムの開発をご依頼いただきました。
本システムでは、革の種類、カラーリング、刺繍デザイン、サイズなどの豊富なカスタマイズオプションを表現し、リアルタイムでグローブの仕上がりイメージを確認できます。お客様は購入前に完成品のイメージを明確に把握でき、満足度の高いオーダーグローブ制作を実現します。
プロジェクト概要
野球・ソフトボール愛好家にとって、グローブは単なる道具ではなく、パフォーマンスを左右する重要なパートナーです。しかし、従来のオーダーグローブ制作では、完成品を実際に手にするまで仕上がりをイメージすることが困難でした。
そこで今回、野球・ソフトボール専門店様より、お客様がオーダー前に理想のグローブを視覚的に確認できるグローブシミュレーションシステムの開発をご依頼いただきました。
本システムでは、革の種類、カラーリング、刺繍デザイン、サイズなどの豊富なカスタマイズオプションを表現し、リアルタイムでグローブの仕上がりイメージを確認できます。お客様は購入前に完成品のイメージを明確に把握でき、満足度の高いオーダーグローブ制作を実現します。
お客さまインタビュー

株式会社グリーンライト
GECKO事業部 ゼネラルマネージャー
小森 孝憲 様
御社の事業内容やブランドの特徴について教えてください
当社は「より良い商品を、より安くお客様にお届けする」ことをコンセプトに、2021年、野球ブランド「Gecko(ゲッコウ)」を立ち上げました。
現在は、野球のオーダーグラブやオーダーアパレルを中心に事業を展開しています。
低コストでの生産が可能な工場と直接取引を行うことで、お客様に高品質な商品をリーズナブルな価格でご提供できるよう、日々努めております。

どのようなお客様に向けた商品を提供していますか?
現在、少年野球の小さなお子様からプロ野球選手まで、幅広く商品を提供しております。
具体的には、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、独立リーグ、女子野球そしてプロ野球と、「野球」に関わる全てのカテゴリーの選手の皆様が対象です。
オーダーグローブのこだわりや強みは何ですか?
オーダーグラブは、革の原材料費高騰の影響を受け、全体的に非常に高価格になっています。
大手メーカー様では7万円台、オプションによっては8万円台になることも少なくありません。
その中で当社では、一番安いモデルで3万円台から、さらに革の種類に応じて5万円台までのオーダーグラブをご用意しています。
一番の特徴は、やはり3万円台からオーダーグラブが作れることだと言えるでしょう。
もちろん、価格を抑えながらも品質には徹底的にこだわっており、お客様にご満足いただけるクオリティを実現しています。
高品質なオーダーグラブを、よりお求めやすい価格でご提供できること。
これが当社の強みです。

シミュレーションサイトを導入する前、お客様の注文プロセスはどのようになっていましたか?
以前は、お客様と直接お会いしてオーダーをお伺いする機会が少なかったため、主にオンラインでのやり取りが中心でした。
お客様のご要望を当社でオーダー用紙に書き起こし、それをもとに発注書を作成する、という手順でした。
これまでの注文方法では、どのような課題や不便な点がありましたか?
以前の注文方法では、主に二つの課題を感じていました。
一つは、コミュニケーションにおける認識のズレです。
言葉でのやり取りが中心のため、細かいニュアンスが伝わりにくく、お客様のイメージと実際の仕上がりが若干異なってしまうという課題がありました。
もう一つは、注文プロセスの煩雑さです。
お客様ご自身でオーダー用紙にご記入いただくか、口頭でお伺いした内容を当社で書き起こして再度ご確認いただく、といったプロセスに、多くの手間と時間がかかっていました。
その時に感じていた具体的な課題点について教えてください。
やはり、お客様が思い描くイメージを正確に形にするところが最も難しかったですね。
お客様のご要望はオーダー用紙へのご記入や口頭での色指定で承っておりましたが、完成形のイメージを具体的に共有する有効な手段がないのが実情でした。
そのため、ご希望のカラーリングを正確に思い描くことが難しく、事前のイメージ共有にリアリティが欠けてしまうことも。
これは当社の弱みでもありましたので、シミュレーションを通じて、お客様に納品するグラブのイメージをより鮮明につかみたいと考えたのが一つです。
また、発注ミスを削減することも重要な課題でした。
例えば、刺繍における文字の誤記や、旧字体・特殊な漢字の変換ミスといったヒューマンエラーを防ぐための仕組みを構築したいと考えていたのです。
このように、以前は課題や不便に感じる点が非常に多かったですね。
競合との差別化や、デジタル化の必要性はどのように感じていましたか?
以前、大手野球メーカーで働いていた経験から、競合との差別化の難しさは認識していました。
システム開発が先行しすぎて商品が追いつかないケース、逆に商品力は高いのにシステム面が弱いケースなど、各社それぞれに課題があると感じていました。
当社は「低価格で高品質なものを提供する」ことを基本戦略としています。
そのため、シミュレーションシステムへの投資については社内で慎重な検討がありましたが、最終的には「チャレンジしよう」という方針のもと、導入を決断いたしました。
もちろん当社は後発ですので、今後もシステムの改善やアップグレードが必要です。
しかし、このシミュレーションを導入できたことで、ようやく競合他社と同じ土俵で戦えるようになったと感じています。
今後はSNSなども積極的に活用し、様々な世代のお客様に当社の商品の魅力を伝えていきたいですね。
今回、ビビッドソウルにご依頼いただいた経緯について教えてください。
まず、当社の社員とビビッドソウルの担当者様との間にご縁があったことが、そもそものきっかけです。
その後、複数のシステム開発会社からお話を伺い比較検討する中で、ビビッドソウルさんに決めさせていただいた一番の理由は、社員の皆様の「情熱」です。
私たちの目指すビジネスを深く理解し、その実現に向けて非常に情熱的かつ熱心に取り組んでくださる姿勢に強く感銘を受けました。
まるで、私たちの進みたい方向にレールを敷いてくださるような感覚でしたね。
開発中は多くの時間と労力をおかけしましたが、そのおかげで素晴らしいシミュレーションシステムが完成したと感謝しています。
技術的なことはもちろんですが、最終的には、皆様の「熱意」や「想い」が大きかったのではないでしょうか。

実際にシステム開発を進める中で、特にこだわった点やご要望などについて教えてください。
システム開発においては様々な点にこだわりましたが、特に重要視していたのは以下の二点です。
まず一点目は、価格体系を反映したシミュレーションの見やすさです。
当社の低価格帯グラブは、他社と異なり、何色使用しても価格が変わらない点が大きな特徴です。
そのため、シミュレーション上で指一本一本に色を指定した場合でも、完成形が直感的にイメージできるよう、色の見え方や配色パターンの視認性には特にこだわって要望を出させていただきました。
二点目は、豊富なカラーバリエーションの再現性です。
当社は非常に多くの種類の色をご用意しているため、画面上で現物の革の色味や質感をどれだけ忠実に表現できるかが重要でした。
実物とモニター上の色にはどうしても差が出やすく、このギャップを最小限に抑えることは私たちも非常に重要視していた点であり、開発上も難しい課題だったと思います。
しかし、これらの難しい要望に対して、私たちの期待を超えるクオリティで応えていただけたと感じています。

開発プロセスにおいて、特に課題となった点や、その解決策について教えていただけますか?
今回の開発においては、明確なゴール設定が難しく、100点満点を目指すのは困難だと考えています。
例えば、商品を平面ではなく3Dで表示したり、刺繍を入れたらその場で文字が反映されたりするなど、理想を全て実現しようとすると、莫大な費用と時間、そして高度な開発力が必要になります。
そこで私たちはまず、野球のオーダーグラブを作成するお客様にとって最低限必要な情報を分かりやすく提供することを第一の目標としました。
この点については、ビビッドソウルさんと何度も打ち合わせを重ねながら改善を進めました。
課題が見つかるたびに一つずつ解決していく、という地道なプロセスでしたが、皆様のご協力のおかげで、最終的に非常に良いものができたと感じています。
お客様からの反応や注文数に変化はありましたか?
お客様の反応ですが、やはりオーダーグラブのシミュレーションというのは、やはり非常に心を躍らせる体験であるようです。
私自身も野球をやってきたのでよく分かるのですが、オーダーグラブを作るときは、「どんな色になるかな」「これとこれを組み合わせたらどう見えるかな」と、本当にドキドキ、ワクワクしながら考えるものですよね。
現在、多くのお客様がシミュレーション機能を熱心にご利用くださり、様々な組み合わせを試されている様子がうかがえます。
もちろん、他社とも比較検討されるかと思いますので、シミュレーションの結果がそのまま受注に繋がるかどうかは、お客様の最終的なご判断となります。
しかし、このシミュレーションを開始したことで、「Geckoのグラブはこんなカラーリングができるのか」「こんなにたくさんのロゴを選べるのか」といった、これまでにはなかった具体的な発見や驚きの声を、お客様から感想としていただく機会が格段に増えました。
これは大きな変化だと感じています。

受注処理や製造指示など、実際の業務の効率化はどのように実現されましたか?
今回のシステム導入による最大の効果は、発注プロセスの劇的な改善にあると考えています。
従来は、お客様からテキスト形式でいただいたご注文内容を、我々が発注書に転記する必要がありました。
さらに、その発注書をお客様に再度ご確認いただき、承認を得てから工場へ送付するという複数のステップを踏んでおり、これが時間と手間の大きなハードルとなっていたのです。
それが、今回の新システムの導入で一気に解消されました。
現在は、システム上の情報を目視で最終チェックし、そのデータを工場へ直接転送するだけで発注が完了します。
正直なところ、「ここまで業務がスムーズになるとは」と驚いているほどです(笑)
発注業務が非常に円滑かつ効率的に行えるようになった点は、本当にありがたいと感じています。
予想していなかったメリットや、新たに気づいたことはありますか?
予想していなかったメリットとしては、お客様から具体的なフィードバックをいただく機会が増えたことです。
オーダーグラブをご注文されるのは、やはり野球好きな方が中心ですが、中には様々なメーカーのウェブサイトを熟知した、いわゆる「グラブマニア」と呼べるほど詳しいお客様もいらっしゃいます。
そのような方々から、「他のメーカーではこのような機能があり、非常に使いやすいですよ」といった、具体的なアドバイスや改善のヒントをいただくことがあるのです。
また、販売店様からも、「従来の紙ベースでのやり取りがシミュレーション化されて格段に良くなった」というお声のほか、「さらにこういった機能があればもっと良くなるのでは?」といった率直なご意見をいただけるようになりました。
システム導入による利便性向上を評価していただいた上で、さらに改善に向けた具体的なご意見をいただけるようになったことは、予想外の嬉しい変化でした。
これらは、私たちがサービスをさらに向上させ、成長していくための貴重な機会だと捉えています。
お客様から「使いやすい」「便利」と感じてもらえるポイントはどこですか?
やはりグラブ全体のカラーリングが非常にイメージしやすくなったことが、一番大きいポイントだと考えています。
加えて、ウェブ(グラブの網の部分)の多色使いを、かなりリアルなイメージで確認できるようになった点も挙げられますね。
このような細かい表現が可能なシステムは、他社のシミュレーターではまだ多くないはずですので、この点もお客様にとって大きなメリットになっていると感じています。

反対に、導入後に改善したいと感じた点はありますか?
欲を言えばキリがないのですが、今後実現したいと考えていることがいくつかあります。
その中でも重要度が高いと考えているのは、刺繍関連の機能です。
お客様の中には刺繍に強いこだわりを持ち、「この言葉を入れたい」「このデザインを入れたい」といった具体的なご要望をお持ちの方も少なくありません。
そのため、指定した箇所に刺繍を入れた際のイメージが、よりリアルに再現されるようになるといいなと思います。
さらに将来的には、他社ではあまり対応していないような、イレギュラーなご要望にも応えられる機能が追加できるといいですね。
例えば「通常は刺繍を入れないような箇所に入れた場合、どのように見えるか」といったシミュレーションが可能になれば、より一層の差別化につながり、当社の強みになるのではないかと考えています。
また、グラブ全体を立体的に確認できる機能も、次のステップとして検討したいと考えています。
今後、シミュレーションサイトをどのように活用・発展させていきたいですか?
シミュレーションサイトの活用・発展については、大きく二つの方向性を考えています。
一つは、社内および工場との連携強化です。
今回のシステム導入により、当社から工場への発注プロセスは効率化されましたが、一方で工場側にとっては受注方法が変わったことになります。
今後は、工場側にとってこの新しいプロセスが負担になっていないかを確認し、必要であれば工場がより作業しやすいように、さらなる工夫や改善を進めていきたいと考えています。
もう一つは、お客様の体験価値の向上です。
先ほどのお話にもありましたが、お客様が作りたいグラブのイメージを、よりリアルに、より忠実にシミュレーション上で表現できるよう、継続的な改善・改良を行っていきたいと考えています。
最終的に目指すのは、やはり「お客様ファースト」です。
お客様が本当に求めている理想のグラブを、このシミュレーションサイト上で限りなく正確に描き出せるようにすること。
これが最も重要な目標だと考えています。
他の商品への展開や、新しい機能追加の構想はありますか?
グラブのシミュレーションについては先に述べた通りですが、当社のもう一つの強みであるアパレル製品についても、今後同様に展開していきたいと考えています。
具体的には、現在カラーチャートでご案内している豊富な色展開を、Tシャツやユニフォーム等のアイテムに画面上で適用し、その場で仕上がりイメージを確認できる機能の実現を目指しております。
この機能が実現すれば、お客様の選択肢が広がるだけでなく、ビジネスチャンスの拡大にも繋がるでしょう。
結果として、ブランド全体の認知度向上にも貢献できるのではないかと期待しています。
もちろん、アパレル製品のシミュレーションはグラブとは異なる難しさがあり、実現へのハードルは高いと認識しています(笑)
それでも今後、オーダーアパレルのシミュレーションを展開できるようになるといいなと考えています。
同じようにシミュレーションサイトの導入を考えている企業様へ、何かアドバイスはありますか?
当社はゼロからシステムを構築していただきましたが、一般的には、既存のプラットフォームに機能を追加していく、いわばレールに乗るような開発パターンが多いかと思います。
しかし、私たちはビビッドソウルさんに全てお任せしたことで、当社の要望に沿った最適なシステムをゼロから開発していただくことができました。
もし導入を検討されている企業様がいらっしゃれば、「ビビッドソウルさんなら、自分たちのやりたいことを、やりやすい形で、ゼロから柔軟に開発してもらえますよ」とお伝えしたいですね。
また、開発プロセスにおけるコミュニケーションが非常に円滑だったことも特筆すべき点です。
改善や要望への迅速な対応はもちろん、度重なるミーティングにも丁寧に応じていただき、大変助かりました。
新システムの導入をご検討中の企業様には、ぜひ「ビビッドソウルさんで!」と、自信を持っておすすめしたいですね。
▼Gecko野球・ソフトボール専門のオーダーグローブ グローブシミュレーションサイトはこちら
URL:https://glove-simulation.gecko.jp/
制作チームより
小森様が熱心に語られていた『お客様のワクワク感』。それをWeb上でどう表現するかが、今回のデザインにおける大きな挑戦でした。
Gecko様の圧倒的なカラーバリエーションと細部へのこだわりを、直感的かつ魅力的に伝えるため、UI/UXの一つひとつに工夫を重ねました。
特に注力したのは、カラーシミュレーターの体験設計です。無数の色やパーツの組み合わせの中から「自分だけのグラブ」を見つけ出す楽しさを、操作感や視覚的なわかりやすさでサポートしています。
お客様が完成イメージをリアルに思い描きながら、オーダーへの期待をふくらませていけるような、ワクワクする体験を目指しました。
実際にサイトをご覧になったお客様が、楽しそうにシミュレーションをされていると伺い、デザイナーとして非常に嬉しく感じています。(デザイナー / 平中)
最後に
ビビッドソウルでは思いやりのものづくりを掲げていることもあり、お客さまにとってとても思い入れのあるサービスの立ち上げに携わることができて嬉しかったです。イベントオーガナイザー養成講座のこれからの発展を楽しみにしています。お忙しい中お時間をいただきインタビューへのご協力ありがとうございました。
ビビッドソウルでは、WEBサイトやシステム開発をはじめとして、
企画からUI/UXデザイン、構築、そして運用支援まで、幅広いサービスを提供しています。
これらのプロセスを通じて、クライアントのニーズを理解し、最適なソリューションを提案・実現します。
私たちの強みは、ただ技術を提供するだけではなく、クライアントのビジョン実現を目指したパートナーシップを築くことにあります。
ビビッドソウルのものづくり事業部では、
各プロジェクトにおいて、「聞く、作る、届ける、幸せにする、改善する、より幸せにする」というフローを大切にし、製品やサービスが使われる全ての人々の幸せを追求します。
ご質問やご相談につきましてはホームページの「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡いただけたらと思います。

TEAM
- 設計・ディレクション:
- 大須賀 智美
- デザイン:
- 平中 わかこ
- 開発・実装:
- 赤嶺 祥