こんにちは。ビビッドソウル、ディレクターの中庭です。
今回は提案依頼する際に良く耳にする「RFP」について解説します。
これまで、提案を「依頼される側」「依頼する側」どちらも経験した立場から、RFPの重要性や作成手順、書き方などについて、できるだけ詳しく解説しています。
RFPの意味。RFPとは何か？
RFP（Request for Proposal）は「提案依頼書」のことであり、ビジネスやプロジェクトの成功に不可欠なツールです。RFPは、企業や組織が外部ベンダーやパートナーに対して、特定のプロジェクトやサービスについて提案を依頼する際に使用されます。
RFPは、提案者に対してプロジェクトの詳細や要件、期待される成果について明示し、提案を受け入れるための基準を示すものと捉えるとよいでしょう。
RFPで要件定義をする重要性
RFPがビジネスの成功に果たす役割は大きく、以下の点でその重要性が明確に示されます。
1. 適切なパートナーの選定
RFPを通じて、複数のベンダーやパートナーから提案を受けることができます。これにより、企業は適切なパートナーを選定する際に客観的な選定基準を持つことができます。
共通のドキュメント化された依頼書をもとに、提案内容や見積り価格、経験などを比較検討することで、最適なパートナーを選択することができます。
2. ニーズの明確化
RFPを作成する際には、はじめに依頼側のニーズや要件を明確に整理する必要があります。ニーズを整理するために、プロジェクトやサービスに関する社内外のステークホルダーとのコミュニケーションが促進され、必要な成果や目標が明確になります。
これにより、提案者に対して適切な指示を明示でき、より良質な提案を得ることが可能になります。
3. 提案の品質向上
提案を行うベンダーやパートナーにとっても、RFPを受けて提案を作成することで、企業のニーズや期待を正確に把握することができます。そのため、提案の品質向上が見込まれ、より適切なソリューションの提案をご期待いただけるかもしれません。
事実、提案者もRFPを受けて具体的な要件を把握できるため、効果的な提案を行うことができます。良質な提案というのは、提案者だけの尽力で実現されるのではなく、そもそもの依頼の質による側面もあるということを、依頼者側は認識する必要があるということです。
4. 交渉の基盤
受けた提案を元に、依頼者はベンダーやパートナーとの交渉を行うことができます。提案を比較し、条件や価格などの交渉を行うことで、より良い契約条件を獲得することができます。また、提案者との間でのコミュニケーションを通じて、双方の期待や要求をより明確にすることができます。
RFPの作成手順と書き方
実際にRFPを作成しなければならなくなった時、何から始めればいいのか？どうまとめていけば良いのか？ドキュメントの体裁は？など、作り慣れないうちは特に困惑してしまうかと思います。RFPを作成する際には、以下のような流れで行うことが重要です。
1. ニーズの明確化
まずはプロジェクトやサービスに関するニーズや要件を明確に整理します。関係者とのコミュニケーションを通じて、必要な成果や目標を明確にします。意外とこのステップをしっかり踏むことで、理解が緩かった要件や関係者間での認識のズレといった事に気づくことができます。
単に提案者への依頼を作るということではなく、自社内での取り組みに対する関係者の理解をよりクリアにし、且つ足並みを揃えることができるステップになってくれます。
2. 提案依頼書の作成
RFPを作成します。提案内容、期限、選定基準、提出方法などを明確に記載します。提案者に対して期待する成果や要件を具体的に示します。
体裁は特に気にせず、伝えたい要件を端的に且つ具体的な言葉で整理すれば良いのです。言葉での表現が難しい場合には、図や写真などを使って整理するのも良いでしょう。RFPを作成するステップでは、依頼者自身の情報整理でもあると考えると良いかも知れません。
RFPを作成したら、必ずプロジェクトやサービスの関係者に回覧することをお勧めします。そこでも関係者間の認識齟齬を潰せるチャンスだからです。
3. 提案の受付
RFPを公開し、提案を受け付けます。提案者からの質問や要求に対応し、必要に応じてRFPの内容を調整します。また提案者の平等を図るために、受け付けた質問や要求は提案参加者全てに公開すると良いでしょう。
4. 提案の評価と選定
受けた提案を評価し、最適なパートナーを選定します。提案内容や価格、経験などを比較検討し、適切な選択を行います。
5. 交渉と契約
選定されたパートナーとの交渉を行い、契約を締結します。条件や価格、スケジュールなどを調整し、双方の合意に基づいた契約を締結します。
RPFはビジネス成功に不可欠
RFPは、ビジネスの成功に不可欠なツールであり、適切なパートナーの選定や提案の品質向上、交渉の基盤となります。そしてビジネスに不可欠と言える所以は、良質な提案を元に最適なパートナーを選定する以前に、ビジネスが成功する可能性を高める本質的な作業を促すからと言えます。
依頼者側での適切なコミュニケーションが実施され、そして適切な手順に従って作成されたRFPは、プロジェクトやサービスの効果的な実施に貢献し、結果的には企業の競争力強化にも繋がっているのです。
外食事業会社で営業・マーケティング職を経験した後、web制作会社のアカウントプランナーへ転身。様々な提案営業やディレクション経験を積み、ブランディングデザインを得意とするクリエイティブ会社にてプロデューサーへ。現在はブランディング視点でのコミュニケーションやコンセプト設計を得意とし、web・リアルを問わずクリエイティブディレクションを担う。
